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ワタスゲ揺れる尾瀬を歩く(3) [尾瀬ケ原]

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 専ら疲れを癒やすことだけに使われた尾瀬の夜の時間は,最近では星や月夜の撮影に充てられることも多い。
この日は,夕方の天気も悪い上,ほぼ満月に近く星空の撮影は初めから期待できなかったので前日の寝不足もあってゆっくり休んだ。
3時過ぎに目を覚まして確認してみると,真っ白な濃い霧に覆われているものの,すっかり天候は回復しているようだ。
朝靄に包まれたワタスゲの尾瀬ヶ原の光景をカメラに収めたくてそのまま起き出して準備を進める。

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これだけ霧が濃いと白い虹も狙いたいので,撮影場所を何処にするか決めるのにも困ったが,結局牛首付近に向かうことにした。
いつもなら結構速いペースで霧は薄くなっていくのだが,この日はいつまでも濃い霧が周囲に立ちこめ動く気配がない。
このままではどこで撮影しても同じだろうと先を急ぐのをやめ,立ち止まっては撮影,立ち止まっては撮影を繰り返す。
そのうち霧の中から赤い光が漏れてきた。そして,朝の光が霧を,ワタスゲをオレンジ色に染め上げる・・・

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慌ただしく霧は動き始めたかと思うと,一気に薄くなってしまう。
さらにオレンジ色の光は徐々に強さを増し,自分の影が映るようになった。
もしかして白虹は・・・と周囲を探す。すると,アーチの下の部分は何とか見えたが,上空の霧は早々と消え,その全容を現すことはなかった。
この次の課題だなぁ・・・。諦めて目的だった牛首付近へ。

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いつもなら,ワタスゲ群落といったらここなのだが今年は凄い時の半分程度。さらに朝露に濡れて全体的にやや迫力不足だ。
今,尾瀬から帰ってきて改めて思い返すと,今年のワタスゲの一番見応えがあったのは上田代だったように思う。
たくさんの咲き残ったズミの花とワタスゲとのコラボで湿原が白く染まる姿は印象的だった。
この日はさすがに上田代まで足を伸ばさなかったが,今にして思うと行っておくべきだったと後悔している。

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今年4回の朝の撮影の中では条件的に一番良かったが,撮影に時間をかけ過ぎたようだ・・・。
急いで竜宮小屋に戻り,大急ぎで朝食を頂く。本当にいつもいつも・・・ m(_ _)m
荷造りを済ませ,しばらく小屋主さんや常連さんと話を済ませて小屋を出る頃は日も高くなっていた。今日も暑くなりそうだ。

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あとは赤田代経由でのんびりと御池に向かった。
期待していた燧裏林道のワタスゲは,いつも以上に密度が濃かったが,まだ早かったせいか尾瀬ヶ原を上回るほどではなかった。
途中で急激に雲が湧き始め,雷鳴までしてきたのでちょっと焦ったが,最後まで雨に降られることはなかった。それにしても僅か2日で9万歩。よく歩いたもんだ。

竜宮~牛首分岐~竜宮~ヨッピ橋~赤田代~燧裏林道~御池 (40,093歩)

ワタスゲ揺れる尾瀬を歩く(2) [尾瀬ケ原]

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まだ梅雨明けではないが,台風が去ってここ数日,連日晴れの日が続いている。
林内を歩いていたので,それほど厳しい暑さは感じなかったが,見晴の原の小屋休憩所でかき氷を注文。
一口頬張ると全身から一気に熱が引き,疲れも吹き飛ぶ。・・・暑いときはこれに限る。
昨日はほとんど寝ていないので,早めに山小屋にチェックインして昼寝・・・というのもアリだなぁ。(考えただけでも涎が出るような贅沢な時間の使い方だなぁ)
でも,そこは悲しいカメラマンのサガ。ちょっと休んでから,明日のロケハンを兼ねて尾瀬ヶ原を少し歩いてみることにした。

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緑が濃くなった段小屋坂の登山道とは異なり,尾瀬ヶ原は日差しを遮るものなど何もなく,ジリジリと刺すような日差しに晒される。
やっぱり,暑い・・・。梅雨明けもしていないというのに真夏のような暑さだ。
歩き始めて,ふと遠くに目を遣るとあちこちで白い群落が見られた。いつもは見られない場所にさえもワタスゲが群落を作っていた。
ふと気付くと,風が出てきて頬をかすめ,ふわふわに膨らんだ幾万,幾千もの真っ白なワタスゲの果穂を揺らす。
ぼんやりと眺めているだけで気分も和らぐ。まさに今回の目的がこれを見ることにあったので大満足。言うことなしだ。

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今回のワタスゲの群落は3年前にあった50年に一度の大群落レベルを果たして超えたのか? 
一概にYesともNoとも言えないというのが正解だろう。場所によってはその時以上の所もあるし,少ない場所だってある。
大江湿原,牛首付近は良くて半分程度。上田代,イモリ池ルートはその時よりも遙かに多い。それを確かめるのも面白いものだ。
東電尾瀬橋で見る清流の流れに涼み,樹林帯の木陰に憩い,何時しか東電小屋に到着。
ふと小屋の前に見たことあるようなカメラザックがあるのに気付く。神嵜さんと情報交換していると,目の前に突然巻島さんが現れた。
あのザックは巻島さんの物だった。突然の再会にちょっと驚いたが,しばらく談笑し尾瀬沼に向かう巻島さんを見送った。

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午後になって急速に雲も多くなり,怪しい天候になってきたので,東電小屋を後にして竜宮小屋に向かう。
このルートも今回,密集度が比較的高かった場所だ。しかし上空を大きな真っ黒い雲が覆いなかなか日差しが届かない。
あれほど強烈な日差しを疎んじていたのに勝手なものだ・・・。その光を待つためにベンチに横になる。
たくさんの果穂が揺れる様を寝転んでしばらく眺めながら待ったが埒があかないので,諦めて竜宮小屋に向かうことにした。
すると竜宮十字路でこちらに向かって手を振る怪しげな2人・・・(^^)ノ
てばまるさん,horiguchiさん登場。何処かで会えると思っていたが,ここで待っていてくれましたか・・・。
ベンチで寝転んでいなければそんなに待たせなかったのに申し訳ないことをしたと思った。
ゆっくり話をしたかったが,夕食前に山ノ鼻に向かうという2人を見送る。

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竜宮小屋に荷物を置いて,ヤマスタのピンバッジをもらうために急遽山ノ鼻に行くことにした。ロケハンも兼ねて・・・。
途中,雨に打たれながらも先に行ったハズのてばまるさんやhoriguchiさんを追い越し,ピンバッジをもらって夕食前に竜宮小屋に戻った。
幸い???,どんより雲に覆われ夕方の撮影は諦めざるを得ない状況だ。早めに休んで明日に備えた。
それにしてもよく歩いた一日だった。

沼山峠~尾瀬沼東岸~沼尻~見晴~東電小屋~ヨッピ吊橋~竜宮小屋~山ノ鼻~竜宮小屋(51,237歩)

ワタスゲ揺れる尾瀬を歩く(1) [尾瀬沼]

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今年はワタスゲが良さそうだ・・・今年は尾瀬に行く度にそう思った。
尾瀬ヶ原でも尾瀬沼でも,そして燧裏林道の湿原を歩いた時もワタスゲの花がいつもの年よりも明らかに多かった。
3年前の時に比べたら少ないかも知れないが,場所によってはその時以上に咲く所もあるのではないかと思った。
霜が降りてしまうと果穂になる前に枯れてしまう事もあるので遅霜の影響を心配したが,そんなこともなく期待は日に日に高まった。
SNSなどからもたらされる最新の尾瀬情報からも,ワタスゲがどんどん尾瀬で存在感を増していた。

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7月に入り至仏山も登山解禁になって,そちらも気になるところだが,
何年かに一度しか見られない方を優先しないわけにはいかない。今年見逃したら次はいつになるか・・・
檜枝岐から入り,尾瀬沼と尾瀬ヶ原を縦断することにした。
前日の宇都宮での急用を済ませ檜枝岐に向かう。到着は2時。車で仮眠して始発バスを待った。
目覚ましに起こされ,始発のバスに乗り込む。乗客は10人程度。皆,ちょっと眠そうだ。
沼山峠に着く頃,雲一つない空が徐々に朝の色に染まり,やがて真っ赤な太陽が顔を出す。
オレンジ色の光が林内にあふれる。結構まめに尾瀬に来ているせいか,登りもそれほど苦痛に感じない。
大江湿原に着くと,白いワタスゲの群落が出迎えてくれた。
朝露に濡れ水滴を纏ったワタスゲが朝日を浴びてキラキラと輝く。
予想通りやっぱり多い。でも,3年前の大江湿原の半分か1/3程度というのが率直な感想だ。
近くでは,ヤマドリゼンマイが梅雨の晴れ間の光をたくさん受けようと,真新しい緑の腕を目いっぱい広げていた。
いつも彩りを添えるはずのレンゲツツジは,今年はそれほど多くない上,やや遅れ気味である。
耳を澄ませると,遠くで響くカッコウの声。朝靄流れる大江湿原で繰り広げられるドラマの真っ只中で贅沢な時間を過ごした。

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朝露に濡れてまだ開ききっていないせいもあり,やや迫力不足のワタスゲを後に尾瀬沼東岸へ・・・
ビジターセンターの建て替えと再整備の名の下に,昨年以上にあちこちが痛々しく抉られている。
一番心を痛めたのがミネザクラと燧ヶ岳の写真を撮っていた場所の真横にテラスが新設されたことだ。
こんな場所にこんなものを新設する必要性が本当にあるのだろうか? 全くそのセンスを疑う・・・。
しかし,どうにもならない現実にやりきれない気持ちばかりが残る。

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長蔵小屋の売店でいつものコーヒータイムを済ませ,復活したライブカメラの動作確認をしてから尾瀬ヶ原に向かう。
沼尻に向かう林内で薫さんに会う。尾瀬での遭遇率は相当なものだ・・・
貴重な情報を教えていただき,その情報に乗って毎回忘れていたスタンプラリーを始めることにした。
今年は,尾瀬国立公園生誕10周年ということで様々な企画が行われているが,こうした企画に参加するのも楽しい。

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(尾瀬ヶ原編につづく)

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