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キスゲのない盛夏・尾瀬ケ原(2) [尾瀬ケ原]

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 星の撮影ができるか気になり,午前2時に確認する。月は既に西の空に沈み,ほぼ満天の星が小屋の上空を覆っていた。不安定な雲に覆われる前に撮影しようと龍宮十字路へ。尾瀬での星の撮影は久しぶりだ。大急ぎでカメラをセットして数枚撮影・・・。低い雲が絶えず上空を行き交い,全ての星が隠されてしまう時間帯もあり,長時間撮影できる状態ではなかった。何枚か撮影できたので,朝の撮影に備えて一旦小屋に引き返し,出直すことにした。

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 陽が昇る頃になると,上空はほとんど雲に覆われていた。一部東の空の雲が切れ,そこだけ朝の光に包まれていた。心躍る光景とは言えないが,朝食前の準備運動を兼ねて少しだけ歩き,少しだけ撮影した。燧ヶ岳の肩から太陽が顔を出す頃その付近の空が少し色付いただけで,その後は変化の少ない尾瀬に戻ってしまったので,早々に撮影を切り上げ小屋に戻る。

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 ちょうど朝食時間だったので,荷物を片付け,温かい食事をいただく。これになれてしまうと,なかなか朝弁当には戻れない。食事を済ませてから,重いカメラザックを小屋に預け,尾瀬ヶ原内をぐるりと散策することにした。夏の湿原をじっくり見たことがなかったので湿原に咲く花を撮影してからアヤメ平に向かう計画だ。

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 湿原内にじっくり探すと,キンコウカに混じって小さいけれど存在感のある黄色いカキランの花がたくさん咲き,その周りでは小さいけれど真っ赤なハッチョウトンボが飛び交っていた。普段見落としていた花も見つけることができ,楽しい湿原歩きとなった。急いで竜宮小屋に戻り,折り返し長沢を経由してアヤメ平に向かう。横田代・アヤメ平のキンコウカはなかなか時期が合わず見逃していたので,今回こそは是非見たいと思っていた。

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 長沢頭までのきつい登りを終え,アヤメ平が近づくと周囲が霧に覆われてきた。これもまた幻想的でいいな・・・。霧に包まれたアヤメ平ではちょうど見頃を迎えたばかりのキンコウカたちがきれいに咲きそろっていた。残念だったのは湿原内に木道工事用の資材が無造作に積み上げられ,キンコウカを押しつぶし,風景を台無しにしていたことだ。何とかならないものか・・・。横田代はこうした資材もなく黄色いキンコウカの咲く湿原を満喫し,最終バスの待つ鳩待峠に急いだ。

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 始めから分かっていたが,尾瀬ヶ原で見たニッコウキスゲはほんの僅か。全く存在感がなかった。キスゲの種もほとんど見当たらず,来年も期待できそうにない。大江湿原に行けばもう少し見れたのだろうが,時期も過ぎていたし,やはり心ときめくものがない・・・。

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 もう,夏の尾瀬にド派手なニッコウキスゲの群落を期待するのは無理な注文なのだろうか? 僕らは僅かに咲いたニッコウキスゲに一喜一憂するこの現状を受け入れるしかないのだろうか? 温暖化によりシカが増えたことも人災なら,そのシカの対策を後手後手にしてキスゲが見れなくなるまで放っておいてこの状態を酷くしたのも人災。ならば人の手で以前の状態に早く戻す必要があるのではないだろうか。
ニッコウキスゲの黄色い絨毯が懐かしい・・・。
もう一度,真夏の太陽の下で湿原全体を黄色に染めるキスゲの群落に逢いたい・・・。(終)

竜宮小屋~見晴~元湯山荘~東電小屋~竜宮小屋~アヤメ平~鳩待峠 (40,727歩)
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